電子顕微鏡は微小領域から多彩な情報取得が可能な解析機器であり、装置技術は日進月歩で進化し続けています。
しかし多彩であるが故に、製品の開発や製造ラインに向けて、電子顕微鏡をどのように使い解析すれば有意義なデータが得られるかという問題はますます大きくなっているのが現状です。電子顕微鏡解析技術分科会(以下、本分科会)では
材料、プロセス、製品などをいかに電子顕微鏡で解析すれば有意義な情報が得られるかといった解析技術の向上を目的としており、以下に記す二つのテーマに取り組んでいます。
- 次々に生まれ出される製品を解析するには、現在の電子顕微鏡解析技術でも十分ではなく、新たな電子顕微鏡解析技法のニーズが極めて多い。当分科会では、企業等によって提示される具体的なニーズを、大学等研究機関や電子顕微鏡メーカーが共に考えることによって研究・開発のシーズとすることができ、その成果によって電子顕微鏡技術の発展に寄与する。
- 企業における電顕技術者は、必ずしも大学等で電顕を学んできた者ばかりではない。電子顕微鏡技術は、試料作製から観察、解析のどれをとっても難しいものであり、特に初心者は高い壁を感じている。本分科会では初心者に分かりやすい講演や、製品を解析する上で必要と思われる基礎的な講演を重点的に行うことにより、電子顕微鏡技術者の底上げを行うとともに、解決できない問題を熟練者と共に考えて解決する場を提供することによって、電子顕微鏡解析技術者の育成を図る。